症例ストーリー

【骨格性Ⅱ級・口ゴボ】
下顎後退によるEライン改善症例
|25歳女性・上下4番抜歯」

患者様の背景

25歳女性

患者様は、歯並びの乱れと口元の突出感(口ゴボ)の改善を主訴に来院されました。特に横顔のEラインが整っておらず、口元が前に出て見えることを気にされており、笑顔や横顔に自信が持てないことがお悩みでした。また、歯並びを整えるだけでなく、顔全体のバランスまで考慮した治療を希望されていました。

口ゴボや横顔(Eライン)の改善が期待できる矯正治療を検討する中で、顔貌の変化まで見据えた治療方針と豊富な症例実績に魅力を感じ、当院を受診されました。

初診時の状態

上顎前歯には叢生(歯並びのガタつき)が認められ、上下前歯は唇側へ傾斜し、いわゆる「口ゴボ」の状態でした。前歯の前後的なズレ(出っ歯・オーバージェットの増大)により、Eラインから口唇が突出し、横顔のバランスにも影響していました。

このような症例では、単に歯を並べるだけでは十分な改善が得られないことがあり、骨格・歯列・軟組織(横顔)のバランスを総合的に評価した治療計画が重要になります。

機能的な問題
(咬み合わせ・発音など)

本症例では、前歯の前後的なズレ(オーバージェットの増大)と上下前歯の前突により、前歯で食べ物を噛み切りにくく、効率的な咀嚼がしにくい状態でした。また、口唇閉鎖時にオトガイ部へ過度な緊張が生じやすく、無意識の口呼吸や口腔乾燥の原因となる可能性がありました。

このような状態を放置すると、歯周病や虫歯のリスク増加、前歯の摩耗・破折、咬み合わせの悪化、さらには顎関節への負担につながることもあります。そのため、本症例では見た目の改善だけでなく、「正しく噛める」「自然に口が閉じられる」「長期的に安定した咬み合わせを獲得する」ことも治療目標としました。

ドクターの診断・考え方

診断

下顎後退を伴う骨格性Ⅱ級1類不正咬合(Skeletal Class II due tomandibular retrusion)セファロ分析では、SNA82°、SNB74°、ANB8°、Wits6mmと、下顎が後方に位置する骨格性Ⅱ級と診断しました。さらに、U1 to FH110°、IMPA104°、L1 to NB12.5mmと、上下前歯の前方傾斜・突出を認めました。

つまり、本症例は歯並びだけが原因ではなく、下顎後退という骨格的要因と上下前歯のデンタルコンペンセーションが複合的に関与した症例であり、歯列のみを整える治療では十分な顔貌改善は得られないと診断しました。

治療の選択肢

  • 非抜歯矯正
  • ・歯並びは改善できる可能性がある
    ・口ゴボ・Eライン改善には限界

  • 上下小臼歯抜歯矯正
  • ・前歯を十分に後方移動できる
    ・横顔・Eラインの改善が期待できる

  • 外科矯正
  • ・骨格改善量は最も大きい
    ・本症例では適応や患者希望を考慮し第一選択とはしなかった

治療方針・アプローチ

表側ワイヤー矯正
(マルチブラケット装置)

本症例では、上下前歯を三次元的に精密にコントロールしながら十分に後方移動させる必要がありました。そのため、歯根の位置や歯軸まで細かく調整できる表側ワイヤー矯正を選択しました。

上下第一小臼歯を抜歯し、前歯を後方移動するためのスペースを確保しました。叢生、上下前歯の前突、Spee彎曲、ボーンハウジング、口元の突出感を総合的に考慮し、非抜歯ではなく抜歯矯正が適切と判断しました。・治療設計の工夫(期間短縮・見た目配慮・後戻り対策など)

治療設計の工夫

Eライン、横顔の改善症例3_治療前
Eライン、横顔の改善症例3_治療後

当院では、歯並びだけで治療計画を立てるのではなく、フェイスボウトランスファーを用いて患者様固有の咬み合わせを半調節性咬合器上に再現し、顎の動きや咬合関係まで評価しています。

さらに、セファロ分析・顔貌分析・VTOを組み合わせることで、歯列だけではなく、Eラインや横顔、咬み合わせまで総合的に改善できる治療計画を立案しまた。

患者様との治療ゴールの
共有

本症例では、「歯並びを整えること」だけではなく、「口ゴボの改善」「Eラインの改善」「自然な横顔の獲得」を治療ゴールとして患者様と共有しました。VTOや顔貌分析を用いて治療後のイメージを事前に確認し、患者様の希望と治療目標を一致させた上で治療を開始しました。

治療経過

治療期間

約1年10ヶ月

通院頻度

月1回程度の通院で経過観察・ワイヤー調整を行いました。

治療初期(0~10か月)

Eライン、横顔の改善症例3_治療前
Eライン、横顔の改善症例3_治療後

上下第一小臼歯抜歯後、レベリング・アライメントを開始し、叢生の改善と歯列の配列を進めました。同時に咬合の安定化を図り、前歯後退に適した歯列環境を整えました。

治療中期(11~19か月)

Eライン、横顔の改善症例3_治療前
Eライン、横顔の改善症例3_治療後

犬歯の遠心移動後、前歯を一塊(En-masse retraction)として後方移動しました。TPAを固定源として活用し、前歯の歯軸をコントロールしながら口元の突出感(口ゴボ)およびEラインの改善を図りました。この時期から横顔にも変化が現れ、患者様にも口元の改善を実感していただけました。

治療後期(20~22か月)

Eライン、横顔の改善症例3_治療前

細かな歯軸修正と咬合調整を行い、前歯誘導(アンテリアガイダンス)および犬歯ガイドを確立しました。フェイスボウトランスファーにより咬合器上で評価しBefore Progressた咬合関係を参考に、咬頭嵌合、偏心運動時の咬合干渉、歯根平行性、咬合接触を最終確認し、審美性だけでなく機能性・顎関節への配慮・長期安定性まで考慮したフィニッシングを行いました。

途中の調整ポイント

本症例では、歯を後方へ移動することだけを目的とせず、顔貌と咬合の両立を重視して治療を進めました。前歯のトルクコントロールを行い、口元の突出感とEラインの改善を図りました。また、抜歯空隙を左右均等に閉鎖し、正中線、臼歯関係、Spee彎曲、咬合接触を確認しながら治療を進めました。治療中も顔貌写真、咬合状態、セファロ分析を確認し、VTOで設定した治療目標との整合性を評価しながら細かな調整を行いました。

治療結果

見た目の変化

Eライン、横顔の改善症例3_治療前
Eライン、横顔の改善症例3_治療後

上下前歯の突出感(口ゴボ)が改善し、Eラインとの調和が得られました。上下口唇の突出が軽減されたことで横顔のバランスが改善し、自然に口唇を閉鎖できる顔貌へと変化しました。また、歯列の叢生が解消され、調和の取れた歯列弓と自然なスマイルラインを獲得しました。

噛み合わせ・機能面の改善

Eライン、横顔の改善症例3_治療前
Eライン、横顔の改善症例3_治療後

適切なオーバージェット・オーバーバイトを獲得し、前歯誘導および犬歯ガイドを確認しました。咬頭嵌合の安定化により、左右均等な咬合接触が得られ、偏心運動時の咬合干渉も改善しました。これにより、咀嚼効率の向上だけでなく、前歯や臼歯への過度な負担を軽減し、機能的で長期安定性の高い咬合を獲得しました。

実際に治療を受けられた患者様の声

Google口コミより
(一部抜粋)

「歯科医師さんもスタッフさんも皆さん丁寧で優しいので、安心して通うことができました。歯科矯正で通いましたが、歯並びもとても綺麗になり大満足です。ありがとうございます!」

担当医コメント

本症例では、歯並びを整えるだけではなく、下顎後退による口元の突出感(口ゴボ)やEライン、咬み合わせまで総合的に改善することを目標に治療を行いました。フェイスボウトランスファーによる咬合診査、セファロ分析、VTOを用いて治療目標を明確に設定し、審美性・機能性・長期安定性のすべてを考慮した治療計画を立案しました。患者様に治療結果をご満足いただけたことを大変嬉しく思います。今後も保定管理を継続し、長期的な安定をサポートしていきます。

審美歯科

治療内容口元に「美しさ」をプラスする治療
費用¥55,000〜¥165,000(税込)
治療後のリスクセラミックの破折、色調の再現に限界があります

インプラント

治療内容欠損部分に人工歯を取り付ける治療
費用1歯あたり ¥308,000〜¥467,500(税込)
治療後のリスクインプラント周囲炎の可能性があるためメンテナンスが必要

ホワイトニング

治療内容気になる歯の着色を白くする治療
費用¥26,400〜¥52,800(税込)
治療後のリスク場合によっては後戻り・知覚過敏になる可能性があります

矯正歯科

治療内容歯並びをよくする治療
費用¥275,000〜¥1,485,000(税込)
治療後のリスク場合によっては後戻りが考えられます

ガミースマイル

治療内容歯茎のラインをきれいに整える治療
費用¥16,500〜¥1,166,000(税込)
治療後のリスク疼痛・出血などを生じる事があります

重度歯周病

治療内容再生療法をはじめ、清掃性の向上のための治療
費用¥27,500~¥77,000
治療後のリスク疼痛などを生じる事があります

入れ歯

治療内容失った歯を人工歯で補う治療
費用¥110,000~¥495,000
治療後のリスク疼痛・違和感などを生じる事があります