Contents
- 1 ガミースマイルとは?笑顔で歯茎が見える状態の定義と特徴
- 2 ガミースマイルの3つの主な原因
- 3 1. 筋肉が原因のガミースマイル
- 4 2. 骨格が原因のガミースマイル
- 5 3. 歯や歯茎が原因のガミースマイル
- 6 ガミースマイルの7つの効果的な治療法
- 7
- 8 1. 矯正治療
- 9 2. ボトックス注射
- 10 3. 上唇粘膜切除術(LIP)
- 11 4. 歯肉切除
- 12 5. 歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
- 13 6. セラミック治療との併用
- 14 7. ル・フォー(Le Fort)Ⅰ型骨切り術
- 15 ガミースマイル治療後に考えられるリスクと副作用
- 16 術後に歯ぐきの腫れや痛みが出る場合がある
- 17 顔に青あざができることがある
- 18
- 19 知覚過敏を引き起こすリスクがある
- 20 後戻りする可能性がある
- 21 ガミースマイルは自力で治せる?子供と大人の違い
- 22 子供のガミースマイルは成長とともに改善する可能性がある
- 23 大人のガミースマイルは専門的な治療が必要
- 24 ガミースマイル治療のまとめと専門医選びのポイント
- 25 専門医選びのポイント
- 26 表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦
ガミースマイルとは?笑顔で歯茎が見える状態の定義と特徴
笑ったときに歯茎が大きく見えすぎてしまう状態を「ガミースマイル」と呼びます。英語の「gummy(ガミー)」は「歯茎の」という意味で、文字通り歯茎が目立つ笑顔のことです。
ガミースマイルは単なる見た目の特徴であり、病気ではありません。しかし、多くの方が口元の印象に悩み、笑顔に自信を持てなくなってしまうケースがあります。
学生時代に「ハグキ」や「グッキー」などのあだ名をつけられた経験がある方もいるでしょう。本来、最も魅力的な表情であるはずの笑顔に自信が持てないというのは、本人にしかわからない悩みです。
ガミースマイルの程度は、歯の長さに対して歯茎がどれくらい見えるかで判断します。一般的には以下のように分類されます:
- マイルドなガミースマイル:歯の長さに対して25%以内の歯茎が見える
- 中程度のガミースマイル:歯の長さに対して20~50%の歯茎が見える
- 進行したガミースマイル:歯の長さに対して50~100%の歯茎が見える
- 深刻なガミースマイル:歯の長さに対して100%以上の歯茎が見える
実は、ガミースマイルは治療可能であることを知らずに悩んでいる方が多いのです。適切な治療法を選べば、たった1回の処置で美しい笑顔を取り戻すことも可能です。
ガミースマイルの3つの主な原因
ガミースマイルの原因は大きく分けて3つあります。適切な治療法を選ぶためには、まずご自身のガミースマイルがどの原因によるものかを知ることが重要です。
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。原因によって最適な治療法が異なるため、歯科医院でのしっかりとした診断が治療成功の鍵となります。
1. 筋肉が原因のガミースマイル
上唇と小鼻を引き上げる「上唇挙筋(じょうしんきょきん)」という筋肉が発達しすぎていると、笑ったときに唇が歯茎の上まで大きく上がってしまいます。
また、筋肉に強い緊張があると、笑ったときに上唇が薄くなり、歯茎が見えやすくなります。この原因は遺伝的な要素が強く、家族に同じような特徴を持つ方がいる場合もあります。
筋肉が原因の場合は、ボトックス注射や上唇粘膜切除術などの治療が効果的です。
2. 骨格が原因のガミースマイル
上あごの骨が縦に長かったり、前に突出していたりする場合、骨格が原因でガミースマイルになることがあります。また、下あごが正常より小さい場合も同様の症状が現れます。
骨格の問題の原因としては、遺伝的要素のほか、成長期の食生活、口呼吸、唇をかむなどの悪習慣が考えられます。10~12歳くらいまでの成長期であれば、正しい口の使い方や習慣づけで改善できる可能性があります。
成人の場合は、矯正治療や外科的な処置が必要になることが多いです。
3. 歯や歯茎が原因のガミースマイル
歯の大きさが小さく、相対的に歯茎の面積が広いと、話すときや笑ったときに歯茎が目立ちます。また、上の前歯が下方に伸びすぎている場合も、歯茎が見えやすくなります。
歯冠長(歯の見えている部分の縦の長さ)が標準サイズより短い場合も、ガミースマイルの原因となります。中央の前歯の標準的な長さは約11.3mmとされています。
歯や歯茎が原因の場合は、歯肉切除やクラウンレングスニング(歯冠長延長術)などの治療が効果的です。
ガミースマイルの7つの効果的な治療法
ガミースマイルの治療法は、原因や症状の程度によって異なります。ここでは、現在行われている7つの効果的な治療法について詳しく解説します。
1. 矯正治療
骨格や歯の位置が原因でガミースマイルが生じている場合、矯正治療が効果的です。特に上顎前突(出っ歯)や過蓋咬合(かみ合わせが深い状態)の場合に適しています。
矯正用アンカースクリューという小さなチタン製のネジを歯ぐきの骨に埋入し、歯を動かす際の支点として使用します。前歯の位置を上方に1~3mm移動(圧下)させることで、ガミースマイルを改善します。
矯正治療のメリットは、かみ合わせと歯並びが同時に改善できることです。大きな外科手術を行わないため、ダウンタイム(日常生活に戻るまでの回復期間)も必要ありません。
デメリットとしては、治療期間が長くなることや、矯正用アンカースクリューの埋入・除去に局所麻酔が必要なことが挙げられます。また、治療中は矯正用アンカースクリューに汚れが蓄積しないよう、常に清潔に保つ必要があります。
2. ボトックス注射
上唇挙筋が発達しすぎていることが原因の場合、ボトックス注射が効果的です。上唇を持ち上げる筋肉の働きを弱めることで、笑ったときに唇が上がりにくくなり、歯茎が見えにくくなります。
施術は短時間で終わり、痛みもほとんどなく、ダウンタイムもありません。効果は即日から現れ始め、3~4日で最大効果が得られます。
ただし、効果は一時的で3~6ヶ月程度で徐々に元に戻るため、継続的な治療が必要です。また、注射部位に一時的な内出血や腫れが生じることがあります。
3. 上唇粘膜切除術(LIP)
上唇粘膜切除術(Lip Repositioning)は、上唇と歯肉の間の粘膜を一部切除し、上唇が上がらないように縫合する外科手術です。上唇の動く範囲を制限することで、ガミースマイルを改善します。
局所麻酔で行われ、治療時間は約30分~1時間程度です。効果は半永久的で、一度の手術で改善が期待できます。
デメリットとしては、術後に腫れや痛みが生じることがあり、2週間程度のダウンタイムが必要です。また、時間の経過とともに若干の後戻りが生じる可能性があります。
矯正治療では改善しきれなかったガミースマイルにも効果があり、上唇の厚みも増すため、女性らしい魅力的な唇になるというメリットもあります。
4. 歯肉切除
歯肉切除は、レーザーや歯肉形成バーを使って歯茎を整える治療法です。歯の形が小さく、歯茎の面積が広い場合に適しています。
施術は短時間で終わり、術後の痛みや腫れもほとんどありません。局所麻酔で行われるため、痛みを感じることなく治療を受けられます。
ただし、歯肉切除だけでは改善できる範囲に限りがあり、後戻りしやすいという特徴があります。また、歯の根が露出しすぎると知覚過敏を引き起こす可能性があるため、適切な量の切除が重要です。
5. 歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
歯冠長延長術は、歯肉の形成外科によって露出している歯肉を除去し、歯を大きく見せる方法です。歯肉切除に加えて、必要に応じて骨の一部も削ることで、より安定した効果が得られます。
局所麻酔で行われ、治療時間は歯の本数によって異なりますが、1~2時間程度です。効果は半永久的で、後戻りのリスクも低いです。
デメリットとしては、術後に腫れや痛みが生じることがあり、1~2週間程度のダウンタイムが必要です。また、骨を削る場合は、歯の根が露出しすぎないよう慎重な処置が必要です。
6. セラミック治療との併用
歯並びが悪い場合や、歯の形や大きさに問題がある場合は、歯冠長延長術とセラミック治療を併用することで、より美しい仕上がりが期待できます。
歯冠長延長術で歯茎の位置を変え、セラミック矯正で歯の位置や形を美しく整えることができます。複合的なアプローチにより、より自然で美しい笑顔を実現できます。
ただし、健康な歯を削る必要があるため、慎重な判断が必要です。また、治療費も高額になる傾向があります。
7. ル・フォー(Le Fort)Ⅰ型骨切り術
重度のガミースマイルで、上顎骨が縦に長い場合は、ル・フォーⅠ型骨切り術が適応となることがあります。これは上顎骨の水平骨切りを行い、適切な量の骨を削除して平行移動や軸回転を行い、プレートで固定する外科手術です。
全身麻酔で行われる大掛かりな手術ですが、後戻りがなく半永久的な効果が得られます。基本的に術後は矯正治療も必要となります。
デメリットとしては、術後の腫れが2週間ほど続く可能性があり、長期間のダウンタイムを必要とします。また、クリニックによっては入院が必要になる場合もあります。
ガミースマイル治療後に考えられるリスクと副作用
ガミースマイルの治療には、さまざまなリスクや副作用が伴う可能性があります。治療を検討する際には、これらのリスクについても十分に理解しておくことが大切です。
術後に歯ぐきの腫れや痛みが出る場合がある
歯肉切除や歯冠長延長術、上唇粘膜切除術などの外科的処置を行った場合、術後に歯ぐきの腫れや痛みが生じることがあります。多くの場合、数日から2週間程度で落ち着きますが、個人差があります。
処置の範囲や方法によっては、腫れや痛みの程度も異なります。術後のケア方法や薬の服用について、医師の指示に従うことが重要です。
顔に青あざができることがある
ボトックス注射や上唇粘膜切除術などの処置を行った場合、注射部位や手術部位に一時的な内出血が生じ、青あざができることがあります。これは通常、1~2週間程度で自然に消失します。
あざができやすい体質の方や、血液凝固に影響する薬を服用している方は、事前に医師に相談することをおすすめします。
知覚過敏を引き起こすリスクがある
歯肉切除や歯冠長延長術で歯の根が露出しすぎると、冷たいものや熱いものがしみる知覚過敏を引き起こす可能性があります。特に骨を削る処置を行った場合は、このリスクが高まります。
知覚過敏が生じた場合は、専用の歯磨き粉を使用したり、必要に応じて追加の処置を行ったりすることで改善できることがあります。
後戻りする可能性がある
治療法によっては、時間の経過とともに効果が薄れ、元の状態に戻る「後戻り」が生じる可能性があります。特にボトックス注射は効果が一時的で、3~6ヶ月程度で元に戻るため、定期的な治療が必要です。
また、歯肉切除のみの場合も、後戻りしやすい傾向があります。一方、骨の処置を伴う歯冠長延長術やル・フォーⅠ型骨切り術は、後戻りのリスクが低く、半永久的な効果が期待できます。
治療を検討する際は、これらのリスクや副作用について医師としっかり相談し、自分に最適な治療法を選ぶことが大切です。
ガミースマイルは自力で治せる?子供と大人の違い
「ガミースマイルは自力で治せるのだろうか?」と疑問に思う方も多いでしょう。結論から言うと、成人のガミースマイルを自力だけで完全に治すことは難しいのが現実です。
しかし、子供と大人では状況が異なります。また、軽度のケースでは部分的な改善が期待できる方法もあります。
子供のガミースマイルは成長とともに改善する可能性がある
子供、特に10~12歳くらいまでの成長期にあるお子さんの場合は、適切な習慣づけによってガミースマイルが自然に改善する可能性があります。
例えば、口呼吸を鼻呼吸に変える、唇をかむ癖をやめる、正しい舌の位置を保つなどの習慣改善が効果的です。これらは顎の正常な発達を促し、骨格性のガミースマイルを予防・改善する可能性があります。
また、小児矯正を早期に行うことで、顎の成長をコントロールし、ガミースマイルを予防することも可能です。
大人のガミースマイルは専門的な治療が必要
成人の場合、骨格や歯、筋肉の状態がすでに固定されているため、自力での改善は非常に難しいと言えます。効果的な改善を望むなら、専門的な治療を受けることをおすすめします。
ただし、軽度のケースでは、以下のような方法で部分的な改善が期待できる場合もあります:
- 笑顔の練習:鏡の前で、歯茎があまり見えないように笑う練習をする
- 表情筋トレーニング:上唇を意識的に下げる筋肉を鍛える
- 口周りのマッサージ:上唇挙筋をリラックスさせるマッサージを行う
これらの方法は、筋肉が原因の軽度のガミースマイルに対して多少の効果が期待できますが、骨格や歯が原因の場合は効果が限定的です。
結局のところ、成人のガミースマイルを確実に改善するには、原因に合わせた専門的な治療を受けることが最も効果的です。
ガミースマイル治療のまとめと専門医選びのポイント
ガミースマイルは、笑ったときに歯茎が過剰に見える状態で、筋肉、骨格、歯や歯茎の問題など、さまざまな原因で生じます。治療法も原因によって異なり、矯正治療、ボトックス注射、上唇粘膜切除術、歯肉切除、歯冠長延長術、セラミック治療との併用、ル・フォーⅠ型骨切り術など、多様な選択肢があります。
ガミースマイルの治療を検討する際は、まず専門医による正確な診断を受け、自分の症状に最適な治療法を選ぶことが大切です。
専門医選びのポイント
ガミースマイル治療の専門医を選ぶ際は、以下のポイントに注目すると良いでしょう:
- 経験と実績:ガミースマイル治療の豊富な経験と実績を持つ医師を選ぶ
- 症例写真の確認:過去の治療例(ビフォーアフター)を確認し、仕上がりをイメージする
- 複数の治療法に対応:様々な治療法に対応できる医院を選ぶことで、自分に最適な治療を受けられる
- カウンセリングの質:丁寧な説明と十分な相談時間を設けてくれる医師を選ぶ
- アフターケア:治療後のケアやフォローアップが充実している医院を選ぶ
表参道AK歯科・矯正歯科では、ガミースマイルを含む様々な歯科治療に対応しています。経験豊富な院長による診断・治療計画の立案、最新のデジタル機器を用いた正確な診断、豊富な矯正治療実績など、安心して治療を受けられる環境が整っています。
笑顔に自信が持てないことで人生の楽しみが制限されるのは残念なことです。現代の歯科医療では、ガミースマイルは十分に改善可能な症状です。
あなたも自信を持って笑える美しい笑顔を手に入れませんか?まずは無料カウンセリングで、あなたに最適な治療法を相談してみてください。
詳しい情報や無料カウンセリングのご予約は、表参道AK歯科・矯正歯科までお問い合わせください。
表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦
https://doctorsfile.jp/h/197421/df/1/
略歴
- 日本歯科大学 卒業
- 日本歯科大学附属病院 研修医
- 都内歯科医院 勤務医
- 都内インプラントセンター 副院長
- 都内矯正歯科専門医院 勤務医
- 都内審美・矯正歯科専門医院 院長
所属団体
- 日本矯正歯科学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本歯科審美学会
- 日本臨床歯科学会(東京SJCD)
- 包括的矯正歯科研究会
- 下間矯正研修会インストラクター
- レベルアンカレッジシステム(LAS)
参加講習会
- 口腔インプラント専修医認定100時間コース
- JIADS(ペリオコース)
- 下間矯正研修会レギュラーコース
- 下間矯正研修会アドバンスコース
- 石井歯内療法研修会
- SJCDレギュラーコース
- SJCDマスターコース
- SJCDマイクロコース
- コンセプトに基づく包括的矯正治療実践ベーシックコース (綿引 淳一 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 診断・治療編(石川 晴夫 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 応用編(石川 晴夫 先生)
- レベルアンカレッジシステム(LAS)レギュラーコース
- 他多数参加

