
インプラント治療の失敗リスクとは?現実的な視点で考える
「インプラント治療を検討しているけど、失敗するリスクが心配…」
歯を失った後の選択肢として注目されるインプラント治療。人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法は、見た目も機能も天然歯に近い状態を取り戻せる魅力的な選択肢です。しかし、どんな医療技術にもリスクは存在します。インプラント治療も例外ではありません。
私は日本歯科大学を卒業後、インプラント治療の分野で多くの症例を手がけてきました。累計1,000件以上の矯正治療実績とともに、インプラント治療においても難症例への対応経験を積み重ねています。その経験から言えるのは、インプラント治療の成功には「正しい知識」と「適切な歯科医院選び」が何よりも重要だということです。
この記事では、インプラント治療の失敗リスクとその原因を正直にお伝えするとともに、後悔しないための歯科医院選びの基準を解説します。これから治療を検討されている方が、正しい選択をするための一助となれば幸いです。
Contents
- 1 インプラント治療で起こりうる4つの主な失敗例
- 2 1. インプラントが骨と結合しない(オッセオインテグレーションの失敗)
- 3 2. インプラント周囲炎の発症
- 4 3. 神経損傷や周囲組織へのダメージ
- 5 4. 上部構造(人工歯)のトラブル
- 6 インプラント治療が失敗する主な原因
- 7 1. 術前診断・治療計画の不足
- 8 2. 歯科医師の経験・技術不足
- 9 3. 患者側の要因
- 10 後悔しないインプラント治療のための6つの選択基準
- 11 1. 術前の精密検査と詳細な説明
- 12 2. 歯科医師の専門性と経験
- 13 3. 衛生管理の徹底
- 14 4. アフターケア体制の充実
- 15 5. 明確な料金体系
- 16 6. 総合的な治療視点の有無
- 17 インプラント治療成功のための患者側の心構え
- 18 1. 正直な情報提供
- 19 2. 治療計画の理解と納得
- 20 3. 術後の注意事項の遵守
- 21 4. 定期的なメンテナンスの継続
- 22 まとめ:インプラント治療で後悔しないために
- 23 表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦
インプラント治療で起こりうる4つの主な失敗例
インプラント治療の失敗と一言で言っても、実際にはさまざまなケースがあります。私の臨床経験から、特に多い失敗例を4つご紹介します。
1. インプラントが骨と結合しない(オッセオインテグレーションの失敗)
インプラント治療の根幹となるのが、チタン製のインプラント体と顎の骨がしっかりと結合する「オッセオインテグレーション」です。この結合が上手くいかないと、インプラントがグラついたり、最悪の場合は脱落したりします。
原因としては、喫煙習慣や糖尿病などの全身疾患、骨の質や量が不足している場合などが挙げられます。また、手術時の過度な熱発生や不適切な埋入位置も結合不良の原因となります。
2. インプラント周囲炎の発症
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の組織に炎症が起きる状態です。天然歯の歯周病に似ていますが、進行が早く、治療も困難なことが特徴です。
日常的なメンテナンスが不十分だったり、喫煙や糖尿病などのリスク因子がある場合に発症リスクが高まります。インプラント周囲炎は、早期発見・早期治療が何より大切です。
私が診療で特に気をつけているのは、治療前の歯周病対策です。既存の歯周病をしっかり治療せずにインプラントを入れると、その細菌がインプラント周囲に感染するリスクが高まります。
3. 神経損傷や周囲組織へのダメージ
下顎には下歯槽神経、上顎には上顎洞という重要な組織があります。インプラント埋入時にこれらを傷つけてしまうと、痺れや痛み、違和感などの後遺症が残ることがあります。
こうした合併症を防ぐには、術前のCT撮影による精密な診断と、経験豊富な歯科医師による適切な手術計画が不可欠です。「安いから」という理由だけで歯科医院を選ぶと、こうしたリスクが高まる可能性があります。
4. 上部構造(人工歯)のトラブル
インプラント体と骨の結合がうまくいっても、その上に装着する人工歯(上部構造)にトラブルが生じることがあります。噛み合わせが合わない、見た目に不満がある、破損するなどの問題です。
特に噛み合わせの問題は深刻で、過度な力がインプラントにかかり続けると、長期的に骨の吸収を引き起こす可能性があります。
あなたは自分の歯の状態に不安を感じていますか?
インプラント治療が失敗する主な原因
インプラント治療の失敗には、いくつかの原因が考えられます。これらを理解することで、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
1. 術前診断・治療計画の不足
インプラント治療の成功は、術前の綿密な診断と計画にかかっています。CTスキャンなどの精密検査を行わず、骨の状態や神経の位置を正確に把握しないまま手術を行うと、様々なトラブルの原因となります。
私が院長を務める表参道AK歯科・矯正歯科では、3DスキャナーやAI分析などの最新デジタル機器を用いた精密な診断を徹底しています。これにより、患者様一人ひとりの口腔内状態に最適な治療計画を立案することが可能になります。
2. 歯科医師の経験・技術不足
インプラント治療は高度な専門性を要する治療です。経験や技術が不足している歯科医師が手術を行うと、インプラントの位置や角度が不適切になったり、周囲組織を傷つけたりするリスクが高まります。
日本口腔インプラント学会などの専門学会に所属し、継続的に研鑽を積んでいる歯科医師を選ぶことが重要です。私自身も日本矯正歯科学会、日本口腔インプラント学会をはじめとする複数の学会に所属し、最新の知見を治療に活かすよう努めています。
3. 患者側の要因
インプラント治療の成功には、患者様自身の協力も欠かせません。喫煙習慣、糖尿病などの全身疾患、不十分な口腔ケアなどは、インプラントの長期的な予後に悪影響を及ぼします。
特に喫煙は、骨との結合不良やインプラント周囲炎のリスクを大幅に高めることが知られています。治療前にこれらのリスク因子をコントロールすることが、長期的な成功につながります。
全身の健康状態や生活習慣について、正直に歯科医師に伝えることが大切です。隠し事をすると、予期せぬトラブルの原因になることがあります。
後悔しないインプラント治療のための6つの選択基準
インプラント治療で失敗や後悔をしないためには、適切な歯科医院選びが何よりも重要です。ここでは、私の経験から導き出した6つの選択基準をご紹介します。
1. 術前の精密検査と詳細な説明
信頼できる歯科医院では、CTスキャンなどの精密検査を行い、その結果に基づいた詳細な説明を行います。骨の状態、治療計画、リスク、代替治療法などについて、わかりやすく説明してくれるかどうかをチェックしましょう。
「とにかく早く治療を始めましょう」と急かす医院には注意が必要です。インプラント治療は慎重に進めるべき治療です。
2. 歯科医師の専門性と経験
インプラント治療を担当する歯科医師の経験症例数、所属学会、継続的な研修受講歴などを確認しましょう。特に難症例(骨が少ない、全身疾患がある等)の場合は、それらに対応した実績があるかどうかが重要です。
当院では、院長である私自身が診断・治療計画の立案を担当し、累計1,000件以上の矯正治療実績を活かした総合的な視点からインプラント治療を提案しています。
3. 衛生管理の徹底
インプラント手術は外科手術です。手術室の清潔度、器具の滅菌方法、スタッフの感染対策など、衛生管理が徹底されているかどうかをチェックしましょう。
見学や初診時に、スタッフの手袋交換や器具の取り扱いなどを観察することで、その医院の衛生管理レベルを知ることができます。
4. アフターケア体制の充実
インプラント治療は埋入手術で終わりではありません。定期的なメンテナンスや、万が一のトラブル時の対応体制が整っているかどうかも重要な選択基準です。
「治療後も長くお付き合いしていきたい」という姿勢の医院を選ぶことで、インプラントの長期的な成功率を高めることができます。
5. 明確な料金体系
インプラント治療は保険適用外の自由診療であることがほとんどです。治療前に、使用するインプラントの種類や材質、上部構造の材質、追加費用の可能性などについて、明確な説明があるかどうかを確認しましょう。
「格安インプラント」を謳う医院では、追加費用が発生するケースも少なくありません。総額でどれくらいかかるのかを事前に把握することが大切です。
6. 総合的な治療視点の有無
インプラント治療は、口腔内全体のバランスを考慮して行うべきものです。単に失った歯を補うだけでなく、噛み合わせや歯並び、顔貌のバランスまで考慮した治療計画を立ててくれる医院を選びましょう。
当院では「美〜beauty〜を創る」という理念のもと、歯の形、歯並び、歯肉、噛み合わせだけでなく、口元、筋肉、顔貌のバランスを診て、一人ひとりに合った治療を提案しています。
これら6つの基準をもとに歯科医院を選ぶことで、インプラント治療の失敗リスクを大幅に減らすことができるでしょう。
あなたは歯科医院を選ぶとき、どのような点を重視していますか?
インプラント治療成功のための患者側の心構え
インプラント治療の成功には、歯科医院選びだけでなく、患者様自身の協力も欠かせません。ここでは、治療を成功に導くための心構えについてお伝えします。
1. 正直な情報提供
全身疾患(糖尿病、高血圧など)、服用中の薬、アレルギー、喫煙習慣など、健康状態に関する情報は必ず正直に伝えましょう。これらの情報は、治療計画や予後に大きく影響します。
「言わなくても大丈夫だろう」と思って隠していると、予期せぬトラブルの原因になることがあります。
2. 治療計画の理解と納得
インプラント治療は、複数の選択肢がある場合が多いです。それぞれのメリット・デメリット、費用、期間などを十分に理解し、納得した上で治療を始めることが大切です。
わからないことや不安なことは、遠慮せずに質問しましょう。良い歯科医師は、患者様の疑問に丁寧に答えてくれるはずです。
3. 術後の注意事項の遵守
インプラント埋入後は、一定期間の注意事項があります。例えば、喫煙の制限、硬いものを噛まない、適切な口腔ケアなどです。これらを守ることで、治療の成功率を高めることができます。
「少しくらい大丈夫だろう」という気持ちが、思わぬトラブルを招くことがあります。医師の指示は必ず守りましょう。
4. 定期的なメンテナンスの継続
インプラント治療後も、定期的なメンテナンスが非常に重要です。インプラント周囲炎などのトラブルを早期に発見し、対処することで、長期的な成功につながります。
「もう大丈夫だろう」と自己判断でメンテナンスを中断すると、後になって大きな問題が発生することがあります。
これらの心構えを持って治療に臨むことで、インプラント治療の成功率を高め、長期的に満足できる結果を得ることができるでしょう。
まとめ:インプラント治療で後悔しないために
インプラント治療は、失った歯の機能と審美性を回復するための素晴らしい選択肢です。しかし、すべての医療技術と同様に、リスクと失敗の可能性も存在します。
この記事でご紹介した失敗例や原因を理解し、6つの選択基準に基づいて歯科医院を選ぶことで、リスクを最小限に抑えることができます。また、患者様自身の適切な心構えと協力も、治療成功の重要な要素です。
表参道AK歯科・矯正歯科では、最新のデジタル機器を用いた精密診断、経験豊富な院長による治療計画の立案、そして患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療提案を行っています。矯正治療とインプラント治療の両方に対応できる強みを活かし、口腔内全体のバランスを考慮した総合的な治療を提供しています。
インプラント治療をご検討の方は、まずは無料カウンセリングにてご相談ください。あなたの口腔内の状態を詳しく診査し、最適な治療法をご提案いたします。
「歯がボロボロで人前で笑えない」「総入れ歯では不安」「一気に口元を改善したい」─そんなお悩みを持つ方にこそ、インプラント治療は新しい人生のきっかけとなる選択肢です。
詳しくは表参道AK歯科・矯正歯科のホームページをご覧いただくか、お電話にてお気軽にお問い合わせください。あなたの理想の笑顔を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦
https://doctorsfile.jp/h/197421/df/1/
略歴
- 日本歯科大学 卒業
- 日本歯科大学附属病院 研修医
- 都内歯科医院 勤務医
- 都内インプラントセンター 副院長
- 都内矯正歯科専門医院 勤務医
- 都内審美・矯正歯科専門医院 院長
所属団体
- 日本矯正歯科学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本歯科審美学会
- 日本臨床歯科学会(東京SJCD)
- 包括的矯正歯科研究会
- 下間矯正研修会インストラクター
- レベルアンカレッジシステム(LAS)
参加講習会
- 口腔インプラント専修医認定100時間コース
- JIADS(ペリオコース)
- 下間矯正研修会レギュラーコース
- 下間矯正研修会アドバンスコース
- 石井歯内療法研修会
- SJCDレギュラーコース
- SJCDマスターコース
- SJCDマイクロコース
- コンセプトに基づく包括的矯正治療実践ベーシックコース (綿引 淳一 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 診断・治療編(石川 晴夫 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 応用編(石川 晴夫 先生)
- レベルアンカレッジシステム(LAS)レギュラーコース
- 他多数参加

