
Contents
- 1 全顎インプラント治療とは?基本知識と適応症例
- 2 全顎インプラント治療の費用相場はいくら?
- 3 全顎インプラント治療と総入れ歯の比較
- 4 総入れ歯のメリット・デメリット
- 5 全顎インプラント治療のメリット・デメリット
- 6 全顎インプラント治療を選ぶべき理由と適応条件
- 7 全顎インプラント治療が適している方
- 8 全顎インプラント治療の流れ
- 9 全顎インプラント治療の注意点とリスク
- 10 インプラント周囲炎のリスク
- 11 長期的なメンテナンスの必要性
- 12 医院選びの重要性
- 13 全顎インプラント治療の成功事例と患者さまの声
- 14 まとめ:全顎インプラント治療で人生が変わる可能性
- 15 表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦
全顎インプラント治療とは?基本知識と適応症例
全顎インプラント治療は、上下の顎のほとんどまたはすべての歯を失った方に対して行われる治療法です。従来の総入れ歯とは異なり、顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着します。
この治療法は「フルマウスインプラント」とも呼ばれ、歯周病や虫歯などで多くの歯を失った方、または全体的に歯が悪くなった方に適しています。特に「口ゴボ」と呼ばれる口元が前に出てしまう状態の改善にも効果を発揮することがあります。
全顎インプラント治療には、主に以下のような種類があります。
- オールオン4:片顎あたり4本のインプラントで10〜12本の人工歯を支える方法
- オールオン6:片顎あたり6本のインプラントを使用する方法
- フルブリッジ:より多くのインプラントを埋入し、複数のブリッジで対応する方法
全顎インプラント治療は、単に噛む機能を回復するだけでなく、顔の形態や審美性にも大きく影響します。顎の骨が痩せるのを防ぎ、若々しい表情を維持する効果も期待できるのです。
全顎インプラント治療の費用相場はいくら?
全顎インプラント治療の費用は、使用するインプラントの本数や種類、治療方法によって大きく異なります。2025年現在の一般的な費用相場をご紹介します。
オールオン4と呼ばれる治療法の場合、片顎あたりの費用は総額180〜400万円程度となります。上下両方の顎を治療する場合は、360〜800万円程度の費用が必要です。
費用の内訳は、主に以下の3つに分けられます。
- 検査・診断費用:1万5,000円〜5万円
- 手術費用:120万〜180万円
- 人工歯の作製費用:60万〜180万円
全顎インプラント治療は、基本的に保険適用外の自由診療となります。そのため、医院によって費用設定に差があることを理解しておきましょう。
費用が高額になる理由は、使用する材料の品質や耐久性、専門的な技術、複雑な手術プロセスにあります。また、骨の状態によっては、サイナスリフトや骨造成などの追加処置が必要になることもあり、その場合はさらに費用が加算されます。
例えば、骨量が不足している場合に行われるサイナスリフト(上顎洞挙上術)は、約10〜15万円の追加費用がかかります。また、ザイゴマインプラントという頬骨に埋入する特殊なインプラントを使用する場合は、さらに高額になることがあります。
全顎インプラント治療は高額ですが、多くの医院ではデンタルローンやクレジットカード分割払いに対応しており、月々の負担を抑えることが可能です。例えば、400万円の治療を60回払いにすると、月々約7万円程度の支払いになります。
費用面で不安な方は、無料カウンセリングを実施している医院で相談することをおすすめします。治療計画や費用の詳細について、丁寧に説明してもらえるでしょう。
全顎インプラント治療と総入れ歯の比較
全顎の歯を失った場合、選択肢として「全顎インプラント治療」と「総入れ歯」があります。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
総入れ歯のメリット・デメリット
総入れ歯は、上下のどちらか、またはすべての歯を失った際に適応となる一般的な治療方法です。人工歯とプラスチック製の歯茎を組み合わせたシンプルな構造で、歯茎に吸盤のように吸い着くことで固定します。
保険診療の総入れ歯は、3割負担の場合で2万円〜2万5,000円程度、後期高齢者の1割負担で7,000円程度が目安です。費用面では大きなメリットがあります。
一方で、総入れ歯には以下のようなデメリットがあります。
- 噛む力が天然歯の約1/5〜1/10程度に低下する
- 装着感や違和感が強く、慣れるまで時間がかかる
- 発音しづらい場合がある
- 顎の骨が徐々に痩せていく(顔のたるみの原因になる)
- 定期的な調整や作り直しが必要
全顎インプラント治療のメリット・デメリット
全顎インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。オールオン4では、片顎あたり4本のインプラントで10〜12本の連結した人工歯を支えます。
全顎インプラント治療の主なメリットは以下の通りです。
- 天然歯に近い噛み心地と機能性
- 審美性に優れ、見た目が自然
- 入れ歯のようなズレや外れがない
- 顎の骨の吸収を防ぎ、顔の形態を維持できる
- 耐久性が高く、適切なメンテナンスで10〜15年以上使用可能
一方で、デメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 費用が高額(片顎180〜400万円程度)
- 外科手術が必要で、術後の腫れや痛みがある
- 治療期間が比較的長い(約3〜6ヶ月)
- 定期的なメンテナンスが必須
- 全身疾患によっては適応できない場合がある
どちらの治療法が適しているかは、患者さまの口腔内の状態、全身の健康状態、経済的な事情、生活スタイルなどによって異なります。まずは歯科医院での精密検査と相談を行い、自分に最適な選択をすることが大切です。
全顎インプラント治療を選ぶべき理由と適応条件
全顎インプラント治療は高額な治療ですが、適切な症例では非常に高い満足度が得られます。以下のような方には特におすすめできる治療法です。
全顎インプラント治療が適している方
- 総入れ歯に違和感や不満を感じている方
- 入れ歯の違和感や痛み、ズレなどに悩んでいる方は、固定式のインプラント治療で快適さを実感できます。
- しっかり噛める歯を取り戻したい方
- インプラントは天然歯に近い噛む力を回復できるため、食事の楽しみを取り戻せます。
- 見た目の美しさを重視する方
- 全顎インプラント治療は審美性に優れており、自然な見た目の歯を手に入れられます。
- 長期的な口腔健康を考える方
- 適切なメンテナンスを行えば10〜15年以上使用でき、結果的にコストパフォーマンスが高い場合もあります。
- 顔の形態維持を重視する方
- インプラントは顎の骨の吸収を防ぐため、顔のたるみを予防する効果があります。
一方で、全身疾患や口腔内の状態によっては、インプラント治療が難しい場合もあります。治療前の精密検査で適応性を確認することが重要です。
全顎インプラント治療の流れ
全顎インプラント治療は、一般的に以下のような流れで進みます。
- 初診・カウンセリング:患者さまの希望や不安を丁寧にヒアリングします。
- 精密検査:CTスキャン、口腔内写真、歯型などを取り、詳細な診断を行います。
- 治療計画の説明:検査結果をもとに、最適な治療計画と費用を提示します。
- インプラント埋入手術:局所麻酔下でインプラント体を顎の骨に埋め込みます。
- 定着期間:インプラントと骨が結合するまで約3〜6ヶ月待ちます。
- 人工歯の装着:インプラントの上に人工歯を取り付けます。
- 定期メンテナンス:長期的な成功のために、定期的なメンテナンスを行います。
治療期間は個人差がありますが、通常は約3〜6ヶ月程度かかります。骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに時間がかかることもあります。
全顎インプラント治療の注意点とリスク
全顎インプラント治療は多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点やリスクも存在します。治療を検討する際は、これらを十分に理解しておくことが大切です。
インプラント周囲炎のリスク
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の組織に炎症が生じる状態です。九州インプラント研究会の調査によると、インプラントの合併症の中で最も多いのがこのインプラント周囲炎とされています。
インプラント周囲炎を予防するためには、日々の丁寧な歯磨きと定期的な専門的クリーニングが欠かせません。特に全顎インプラントの場合は、多数のインプラントを管理する必要があるため、より慎重なケアが求められます。
症状が進行すると、最悪の場合インプラントの撤去が必要になることもあります。早期発見・早期治療が非常に重要です。
長期的なメンテナンスの必要性
全顎インプラント治療は、治療して終わりではありません。長期的に良好な状態を維持するためには、定期的なメンテナンスが必須です。
一般的には3〜4ヶ月に一度の専門的クリーニングと検診が推奨されています。これにより、問題の早期発見や予防が可能になります。
メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎のリスクが高まるだけでなく、上部構造(人工歯)の破損やスクリューの緩みなどのトラブルも起こりやすくなります。
医院選びの重要性
全顎インプラント治療は高度な専門性を要する治療です。医院選びが治療の成功を左右する重要な要素となります。
医院を選ぶ際のポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
- インプラント治療の実績と症例数
- 担当医の経験と専門性(所属学会や研修歴など)
- 使用するインプラントシステムの信頼性
- 精密検査のための設備(CT撮影装置など)
- アフターケア体制の充実度
- 治療費用の明確さと支払い方法の柔軟性
特に全顎インプラント治療のような大規模な治療では、医院の実績や信頼性が非常に重要です。複数の医院でセカンドオピニオンを受けることも検討してみてください。
全顎インプラント治療の成功事例と患者さまの声
全顎インプラント治療を受けた患者さまからは、多くの喜びの声が寄せられています。実際の治療例と患者さまの体験談をご紹介します。
50代男性の患者さまは、長年使用していた入れ歯に違和感を感じ、インプラント治療を希望されました。約4ヶ月の治療期間を経て、上顎に2本のインプラントを埋入。治療後は「入れ歯のズレや違和感がなくなり、食事が本当に楽しくなった」と喜びの声を寄せられています。
また、歯周病により多くの歯を失った患者さまの場合、サイナスリフト(上顎洞挙上術)を併用したインプラント治療を行いました。骨量が少ない状態でしたが、適切な骨造成により安定したインプラント治療が可能になりました。
全顎的に歯が悪く、すべての歯を抜歯せざるを得なかった患者さまには、ザイゴマインプラントを用いた治療を行ったケースもあります。治療期間は約1年と長期にわたりましたが、「人前で笑うことに自信が持てるようになった」と大変満足されています。
これらの事例に共通しているのは、適切な診断と治療計画、そして患者さまとの丁寧なコミュニケーションです。全顎インプラント治療は高額で治療期間も長いですが、適切な症例では患者さまの生活の質を大きく向上させることができます。
まとめ:全顎インプラント治療で人生が変わる可能性
全顎インプラント治療は、単に歯を取り戻すだけでなく、患者さまの生活の質を根本から変える可能性を秘めています。
費用面では、オールオン4の場合、片顎あたり180〜400万円程度、上下両方で360〜800万円程度が相場となります。高額ではありますが、噛む機能の回復、審美性の向上、顔の形態維持など、多くのメリットがあります。
総入れ歯と比較すると、固定式で違和感が少なく、噛む力も天然歯に近いレベルまで回復できます。また、顎の骨の吸収を防ぐことで、顔のたるみを予防する効果も期待できます。
全顎インプラント治療を成功させるためには、信頼できる医院選びが非常に重要です。実績豊富な医師による適切な診断と治療計画、そして治療後の定期的なメンテナンスが、長期的な成功の鍵となります。
歯がボロボロになってしまった、総入れ歯に不満がある、もう一度しっかり噛める歯を取り戻したい、そんな方は、ぜひ一度専門医院での相談を検討してみてください。適切な治療により、食事の楽しみを取り戻し、自信を持って笑える日常を手に入れることができるでしょう。
表参道AK歯科・矯正歯科では、無料カウンセリングを実施しております。全顎インプラント治療に関するご質問やご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。経験豊富な専門医が、患者さま一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。
表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦
https://doctorsfile.jp/h/197421/df/1/
略歴
- 日本歯科大学 卒業
- 日本歯科大学附属病院 研修医
- 都内歯科医院 勤務医
- 都内インプラントセンター 副院長
- 都内矯正歯科専門医院 勤務医
- 都内審美・矯正歯科専門医院 院長
所属団体
- 日本矯正歯科学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本歯科審美学会
- 日本臨床歯科学会(東京SJCD)
- 包括的矯正歯科研究会
- 下間矯正研修会インストラクター
- レベルアンカレッジシステム(LAS)
参加講習会
- 口腔インプラント専修医認定100時間コース
- JIADS(ペリオコース)
- 下間矯正研修会レギュラーコース
- 下間矯正研修会アドバンスコース
- 石井歯内療法研修会
- SJCDレギュラーコース
- SJCDマスターコース
- SJCDマイクロコース
- コンセプトに基づく包括的矯正治療実践ベーシックコース (綿引 淳一 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 診断・治療編(石川 晴夫 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 応用編(石川 晴夫 先生)
- レベルアンカレッジシステム(LAS)レギュラーコース
- 他多数参加

