ワイヤー矯正でガミースマイルが改善する条件|前歯の圧下と上顎前歯の位置づけを解説

執筆者情報:小室 敦

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ワイヤー矯正でガミースマイルが改善する条件|前歯の圧下と上顎前歯の位置づけを解説

ワイヤー矯正でガミースマイルが改善する条件|前歯の圧下と上顎前歯の位置づけを解説

笑顔になったときに歯茎が目立ってしまう「ガミースマイル」・・・

多くの患者さまが、この悩みを抱えて来院されます。

「矯正治療で本当に改善できるのでしょうか?」という質問をよくいただきますが、実は「ワイヤー矯正」は、ガミースマイルの改善に非常に効果的な治療法なのです。

ただし、すべてのケースで改善できるわけではありません。

ガミースマイルの原因は複数あり、それぞれに適した治療アプローチが必要です。歯性のガミースマイルなのか、骨格性なのか、あるいは口周りの筋肉が原因なのか・・・正確な診断が治療成功の鍵となります。

本記事では、日本矯正歯科学会に所属し、包括的矯正歯科研究会や下間矯正研修会インストラクターとしても活動する私が、ワイヤー矯正によるガミースマイル改善の条件と、前歯の圧下メカニズムについて詳しく解説します。

ガミースマイルとは?その定義と原因

ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が通常よりも多く露出してしまう状態を指します。

一般的には、笑顔時に歯茎が3mm以上見える場合をガミースマイルと定義しています。ただし、この基準は文献によって若干異なり、4mm以上とする場合もあります。

ガミースマイルの主な原因

ガミースマイルが生じる原因は、大きく分けて以下の4つに分類されます。

  • 歯性の原因・・・歯の大きさや位置、歯茎の発達状態に起因するもの

  • 骨格性の原因・・・上顎骨の位置や大きさ、顎の骨格構造に起因するもの

  • 筋肉性の原因・・・上唇挙筋の発達や上唇の薄さに起因するもの

  • 複合的な原因・・・上記の複数の要因が組み合わさっているケース

実際の臨床では、これらの原因が複合的に絡み合っているケースがほとんどです。

そのため、精密な検査と診断が不可欠となります。

歯性ガミースマイルの特徴

歯性のガミースマイルは、歯や歯茎そのものに原因があるタイプです。

具体的には、歯に歯茎が過剰に被っている状態や、生まれつき歯が小さい「矮小歯」、歯の萌出不全などが該当します。このタイプは、歯茎が発達しすぎて歯に大きく被っていることで、相対的に歯茎の露出量が増えてしまうのです。

ただし、歯茎だけが単独で問題となるケースは少なく、多くの場合は歯並びや歯の大きさなどの問題が複数重なっています。

骨格性ガミースマイルの特徴

骨格性のガミースマイルは、上顎骨の位置や大きさが原因となるタイプです。

上顎が前方に突出している「上顎前突」や、上顎骨が垂直方向に過剰に成長している場合に見られます。このタイプは、骨格そのものに問題があるため、歯だけを動かす矯正治療では限界がある場合もあります。

重度の骨格性ガミースマイルでは、外科的矯正治療が必要になることもあります。

ワイヤー矯正によるガミースマイル改善のメカニズム

ワイヤー矯正は、ガミースマイルの改善において非常に有効な治療法です。

その理由は、ワイヤー矯正が持つ「三次元的な歯の移動能力」にあります。

前歯の圧下とは何か

「圧下」とは、歯を歯茎の方向へ押し込むように移動させる技術です。

ガミースマイルの改善において、この前歯の圧下が重要な役割を果たします。上顎前歯を圧下することで、笑ったときの歯茎の露出量を減らすことができるのです。

ワイヤー矯正では、マルチブラケット装置を用いて、歯に対して垂直方向の力を加えることができます。

この力によって、前歯を少しずつ歯茎の方向へ移動させ、理想的な位置に調整していきます。

アンカースクリューの活用

近年の矯正治療では、「アンカースクリュー」という小さなチタン製のネジを活用することが一般的になっています。

アンカースクリューは、直径1~2mm程度の小さなネジで、歯茎の骨に一時的に埋め込みます。これを固定源として使用することで、より効率的に前歯を圧下させることができるのです。

従来の矯正治療では、奥歯を固定源として前歯を動かしていましたが、アンカースクリューを使用することで、奥歯に余計な力がかからず、より確実に前歯だけを圧下させることが可能になりました。

上顎前歯の位置づけの重要性

ガミースマイルの改善では、単に前歯を圧下させるだけでなく、「上顎前歯の適切な位置づけ」が極めて重要です。

理想的な笑顔では、上の前歯が適切に見える状態とされています。しかし、歯茎が目立つことで、この理想的なバランスが崩れてしまうのです。

ワイヤー矯正では、前歯の圧下に加えて、前後方向や角度の調整も同時に行います。

これにより、口元の突出感を改善し、Eライン(鼻先と顎先を結んだ線)も美しく整えることができます。上顎前歯の位置を適切に調整することで、機能面でも審美面でも満足度の高い結果が得られるのです。

ワイヤー矯正でガミースマイルが改善する条件

すべてのガミースマイルがワイヤー矯正で改善できるわけではありません。

改善の可否は、原因の種類と程度によって大きく異なります。

歯性ガミースマイルの場合

歯性のガミースマイルは、ワイヤー矯正で改善できる可能性が高いタイプです。

歯の高さや角度が崩れて過剰に噛み合っている状態であれば、奥歯を沈めたり前歯を持ち上げることで噛み込みを浅くし、前後の移動で見た目と機能を両立させることができます。

具体的な治療アプローチとしては、以下のような方法があります。

  • 前歯の圧下・・・マルチブラケット装置とアンカースクリューを用いて、上顎前歯を歯茎方向へ移動

  • 抜歯を伴う治療・・・必要に応じて小臼歯を抜歯し、前歯を後方へ移動させることで口元の突出感を改善

  • 歯茎の整形・・・矯正治療と併用して、過剰な歯茎を切除する歯肉整形術を行う場合も

軽度から中等度の歯性ガミースマイルであれば、マウスピース矯正のインビザラインでも十分に治療可能になってきています。

骨格性ガミースマイルの場合

骨格性のガミースマイルは、上下のあごの前後関係や垂直的な位置がずれており、骨格そのものが深い噛み合わせを作っているケースです。

このタイプの治療では、奥歯を沈めて下あごが自由に動けるスペースを作り、前歯の角度も修正していきます。

治療法としては、精密な三次元コントロールが可能なワイヤー矯正を基本とし、必要に応じてアンカースクリューで奥歯を効率的に沈めます。軽度から中等度の骨格性ガミースマイルであれば、ワイヤー矯正のみで改善が期待できます。

ただし、骨格性のズレが大きい場合は、顎の骨や位置を整える外科的矯正治療を併用する必要があります。

この場合、LeFort I手術などの外科手術を組み合わせることで、根本的な改善を目指します。

筋肉性ガミースマイルの場合

上唇挙筋が発達しすぎている、あるいは上唇が薄いことが原因のガミースマイルは、矯正治療だけでは完全な改善が難しい場合があります。

このタイプでは、ボツリヌス注射を併用することで、上唇挙筋の収縮を抑制し、上唇を上がりにくくする方法が有効です。

また、上唇粘膜切除術(口唇移動術)という外科的アプローチもあります。

これは、口唇粘膜と歯槽粘膜を切除・縫合し、上唇を上がらなくすることで歯茎の露出量を少なくする方法です。矯正治療と組み合わせることで、より高い改善効果が期待できます。

複合的な原因の場合

実際の臨床では、歯性・骨格性・筋肉性の原因が複合的に絡み合っているケースが大半です。

このような場合、それぞれの原因に対して適切なアプローチを組み合わせる必要があります。

例えば、歯性と筋肉性の両方が原因であれば、ワイヤー矯正による前歯の圧下と、ボツリヌス注射を併用するといった治療計画を立てます。骨格性と歯性が混在している場合は、アンカースクリューを用いた矯正治療に加え、必要に応じて外科的矯正も検討します。

重要なのは、精密な検査と診断によって、それぞれの原因の割合を正確に把握することです。

ワイヤー矯正によるガミースマイル治療の実際

ここでは、実際の治療の流れと期間について解説します。

治療の流れ

ガミースマイルのワイヤー矯正治療は、以下のような流れで進みます。

初診・相談・・・患者さまのお悩みをお聞きし、口腔内の状態を確認します。ガミースマイルの程度や原因について、初期的な評価を行います。

精密検査・・・レントゲン撮影、口腔内写真撮影、歯型採取などを行い、詳細な診断を行います。CT撮影を行うことで、骨格の状態も三次元的に把握できます。

診断・治療計画の立案・・・検査結果をもとに、ガミースマイルの原因を特定し、最適な治療計画を立案します。抜歯の必要性、アンカースクリューの使用、治療期間、費用などについて詳しくご説明します。

矯正装置の装着・・・治療計画に同意いただいた後、マルチブラケット装置を装着します。必要に応じて、アンカースクリューの埋入も行います。

定期的な調整・・・月に1回程度のペースで来院いただき、ワイヤーの調整を行います。前歯の圧下や位置調整を少しずつ進めていきます。

保定期間・・・矯正装置を外した後は、後戻りを防ぐために保定装置を使用します。この期間も定期的なチェックが必要です。

治療期間と費用の目安

ガミースマイルのワイヤー矯正治療期間は、症例の難易度によって異なりますが、一般的には2年から3年程度が目安となります。

軽度の歯性ガミースマイルであれば2年前後、骨格性や複合的な原因の場合は2年半から3年程度かかることが多いです。

費用については、検査診断料、基本施術料、保定装置料、調整料などが含まれます。

アンカースクリューを使用する場合は、追加費用が発生します。詳細な費用については、精密検査後の診断時にご説明させていただきます。

治療中の注意点

ワイヤー矯正治療中は、以下の点に注意が必要です。

  • 痛みや違和感・・・装置装着直後や調整後は、痛みや違和感が生じることがあります。通常は数日で落ち着きますが、痛みが強い場合はご相談ください。

  • 口腔衛生管理・・・装置があることで歯磨きがしにくくなるため、丁寧なブラッシングが必要です。虫歯や歯周病のリスクが高まるため、定期的なクリーニングも重要です。

  • 食事の制限・・・硬いものや粘着性のある食べ物は、装置の破損や外れる原因となるため、避けていただく必要があります。

  • 定期的な通院・・・治療効果を最大限に引き出すためには、指定された通院スケジュールを守ることが大切です。

ガミースマイル治療における当院の特徴

表参道AK歯科・矯正歯科では、ガミースマイルの改善に豊富な経験と実績があります。

包括的な診断と治療計画

当院では、「検査から診断を行い、根拠に基づく治療を重視」することを基本方針としています。

ガミースマイルの原因は一人ひとり異なるため、精密な検査によって原因を正確に特定し、最適な治療計画を立案します。

また、歯・歯並び・歯肉・噛み合わせだけでなく、口元や顔貌バランスも診て提案する方針を掲げています。

ガミースマイルの改善は、単に歯茎の露出を減らすだけでなく、顔全体のバランスを考慮した治療が重要です。当院では、審美的な観点からも満足度の高い結果を目指しています。

豊富な治療オプション

当院では、表側矯正、裏側(舌側)矯正、マウスピース矯正など、複数の矯正装置の選択肢をご用意しています。

患者さまのライフスタイルやご希望に応じて、最適な装置を選択していただけます。

また、矯正治療だけでなく、審美歯科治療も提供しているため、必要に応じて歯肉整形術やセラミック治療などを組み合わせた包括的な治療も可能です。

「1つの医院で完結」できることが、当院の大きな強みです。

院長によるすべての診断・治療計画

当院では、院長がすべての診断・治療計画を担当しています。

日本矯正歯科学会、日本口腔インプラント学会、日本歯周病学会、日本歯科審美学会など、複数の学会に所属し、幅広い知識と技術を持つ院長が、一貫して治療を担当することで、質の高い治療を提供しています。

また、インビザラインについては「プラチナエリート・プロバイダー」を受賞しており、マウスピース矯正の分野でも高い実績を有しています。

快適な治療環境

当院は、全室個室でプライバシーに配慮した設計となっています。

カウンセリングルームも完備しており、他の患者さまを気にすることなく、じっくりとご相談いただけます。

また、マイクロスコープやEr:YAGレーザーなどの先進医療機器を導入し、痛みに配慮した治療を心がけています。

表参道駅から徒歩3分、渋谷駅から徒歩5分という好立地で、土日祝日も診療を行っているため、お忙しい方でも通いやすい環境です。

まとめ:ガミースマイルは適切な診断と治療で改善できる

ガミースマイルは、ワイヤー矯正によって改善できる可能性が高い症状です。

ただし、改善の可否は原因の種類と程度によって異なります。歯性のガミースマイルであれば、前歯の圧下やアンカースクリューを活用した治療で高い効果が期待できます。骨格性の場合も、軽度から中等度であればワイヤー矯正で改善可能ですが、重度の場合は外科的矯正が必要になることもあります。

筋肉性や複合的な原因の場合は、矯正治療に加えて、ボツリヌス注射や外科的処置を併用することで、より効果的な改善が見込めます。

最も重要なのは、精密な検査と診断によって原因を正確に特定し、それぞれの患者さまに最適な治療計画を立案することです。

当院では、豊富な経験と実績をもとに、ガミースマイルでお悩みの患者さまに対して、包括的な診断と治療を提供しています。

ガミースマイルでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

24時間WEB予約やLINE相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。理想的な笑顔を手に入れるための第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

表参道AK歯科・矯正歯科

📞 電話:03-6452-6405

🌐 24時間WEB予約LINE相談受付中

住所:東京都渋谷区神宮前5丁目50-6 サクセス青山3F・8F

アクセス:表参道駅 徒歩3分/渋谷駅 徒歩5分

診療時間:平日 11:30-15:00/16:00-19:30、土日祝 9:30-12:30/13:30-17:30

休診日:第1・3・5日曜、第2・4月曜、木曜

ワイヤー矯正 × 全顎治療
噛み合わせと口元を
一度に整えたい方へ
「噛みにくい」「左右で噛み方が違う」「歯並びと口元の印象をまとめて整えたい」方には、ワイヤー矯正を軸にした全顎治療プランをご提案しています。
噛み合わせの状況に応じて、段階的な治療計画をご説明いたします。

表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦

院長 小室 敦

https://doctorsfile.jp/h/197421/df/1/

略歴

  • 日本歯科大学 卒業
  • 日本歯科大学附属病院 研修医
  • 都内歯科医院 勤務医
  • 都内インプラントセンター 副院長
  • 都内矯正歯科専門医院 勤務医
  • 都内審美・矯正歯科専門医院 院長

所属団体

  • 日本矯正歯科学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本歯周病学会
  • 日本歯科審美学会
  • 日本臨床歯科学会(東京SJCD)
  • 包括的矯正歯科研究会
  • 下間矯正研修会インストラクター
  • レベルアンカレッジシステム(LAS)

参加講習会

  • 口腔インプラント専修医認定100時間コース
  • JIADS(ペリオコース)
  • 下間矯正研修会レギュラーコース
  • 下間矯正研修会アドバンスコース
  • 石井歯内療法研修会
  • SJCDレギュラーコース
  • SJCDマスターコース
  • SJCDマイクロコース
  • コンセプトに基づく包括的矯正治療実践ベーシックコース (綿引 淳一 先生)
  • 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 診断・治療編(石川 晴夫 先生)
  • 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 応用編(石川 晴夫 先生)
  • レベルアンカレッジシステム(LAS)レギュラーコース
  • 他多数参加

 

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