Contents
- 1 口ゴボとガミースマイルの複合的な悩み
- 2 口ゴボとガミースマイルの原因を理解する
- 3 口ゴボが発生する主な要因
- 4 ガミースマイルを引き起こす要素
- 5 Eラインから見る理想的な横顔
- 6 日本人の骨格とEラインの関係
- 7 ワイヤー矯正による全顎治療の実力
- 8 ワイヤー矯正が選ばれる理由
- 9 全顎治療で得られる包括的な改善
- 10 抜歯矯正と非抜歯矯正の選択
- 11 抜歯矯正が適している症例
- 12 非抜歯で対応できる可能性
- 13 ガミースマイル改善のアプローチ
- 14 矯正治療によるガミースマイル改善
- 15 外科的矯正が必要なケース
- 16 治療期間と費用について
- 17 一般的な治療期間の目安
- 18 治療費用の内訳
- 19 治療を成功させるための日常ケア
- 20 まとめ:理想の笑顔を手に入れるために
- 21 表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦
口ゴボとガミースマイルの複合的な悩み
横顔を鏡で見たとき、口元が前に突き出ているように感じたことはありませんか?
笑ったときに歯茎が大きく見えてしまうことに、コンプレックスを抱いている方も少なくありません。「口ゴボ」と「ガミースマイル」という2つの悩みを同時に抱えている方にとって、どのような治療法が最適なのか、迷われることも多いでしょう。
口ゴボは専門的には「上下顎前突」と呼ばれ、上下の前歯が前方に突出した状態を指します。一方、ガミースマイルは笑ったときに上顎の歯茎が大きく露出する状態です。これらは単独で現れることもありますが、実は同時に発症するケースも多く見られます。
この記事では、口ゴボとガミースマイルを同時に改善するための治療法について、矯正歯科の専門的な視点から詳しく解説していきます。
口ゴボとガミースマイルの原因を理解する
治療を始める前に、まずはこれらの症状がなぜ起こるのかを理解することが重要です。
口ゴボが発生する主な要因
口ゴボの原因は、先天的な要因と後天的な要因の2つに大きく分けられます。先天的な要因としては、日本人特有の骨格が関係しています。欧米人と比較して小さい頭蓋骨と顎骨の中に、欧米人と同じサイズの歯が生えてくることで、あごの骨に収まりきらず前方に突出してしまうのです。
後天的な要因としては、口呼吸や指しゃぶり、舌を前に突き出す癖などの「習慣」が挙げられます。これらの習慣によって口唇閉鎖不全が起き、前歯が前方に飛び出てきて口ゴボの症状が現れます。やわらかいものばかり好んで食べる習慣も、顎の発達に影響を与える要因となります。

ガミースマイルを引き起こす要素
ガミースマイルの原因は複数あります。最も一般的なのは、上くちびるの筋肉の動きです。上唇挙筋が強く、上唇が強く引き上げられることで歯茎が露出します。口輪筋の関係も大きく影響しています。
また、骨格的な要因も重要です。骨格的に上顎前歯部の歯肉頬移行部が長かったり、上唇が短い場合には歯茎の露出が大きくなります。出っ歯が強く上唇が歯茎を覆いきれない場合や、歯が短い場合もガミースマイルの原因となります。
口元が全体的に前方に突出した状態では、唇が前方に押し出され、口を閉じても口元がモコっと膨らんで見えます。口を閉じる際に無理な力が入り、オトガイ部の筋肉が硬直して梅干し状にしわが寄ることもあります。
Eラインから見る理想的な横顔
横顔の美しさを評価する際、よく用いられるのが「Eライン」という基準です。
Eラインとは、鼻先と顎先を結んだ直線のことで、1950年代にアメリカの矯正歯科医リケッツ先生が提唱しました。このラインに対して上下の唇がどの程度前方に位置しているかで、口元の突出感を評価します。
日本人の骨格とEラインの関係
ここで重要なポイントがあります。Eラインはもともと欧米人の骨格を基準に設計された指標であるため、日本人の平均的な骨格では唇がEラインより前方に位置することは決して珍しくありません。
日本人は欧米人と比較して鼻が低く、顎が控えめな傾向があります。そのため、唇がEラインより少し前にあっても自然なバランスと言えるのです。無理に欧米基準に合わせようとすると、かえって不自然な横顔になる可能性もあります。
実際の診療では、Eラインだけでなく複数の評価基準を総合的に判断します。ナソラビアルアングル(鼻と上唇が作る角度)、口唇閉鎖能(口が自然に閉じられるか)、顔面のバーティカルプロポーション(縦の比率)など、さまざまな角度から口元のバランスを診ていきます。
ワイヤー矯正による全顎治療の実力

口ゴボとガミースマイルを同時に改善するには、どのような治療法が効果的なのでしょうか?
ワイヤー矯正が選ばれる理由
ワイヤー矯正は、金属や透明のブラケットを歯の表面に装着し、歯を徐々に動かしていく方法です。表側矯正は、ほとんどの不正咬合に対応可能で、治療実績が豊富です。歯の動きをコントロールしやすいため、短期間で効果が得られるケースも多いのです。
一方、裏側矯正は装置が見えにくく、美観を重視する方に適しています。装置が歯の裏にあるため、発音や日常の違和感に注意が必要ですが、周囲に気づかれずに治療を進めたい方に向いています。
近年、マウスピース矯正のインビザラインが急速に普及していますが、比例して口ゴボになる人も増えています。マウスピース矯正は利便性の高い治療法ではあるものの、向いている症例と向いていない症例があることを正しく理解した上で適応しなければなりません。
全顎治療で得られる包括的な改善
全顎治療とは、上下すべての歯を対象とした矯正治療を指します。部分矯正では対応できない複雑な症例でも、全顎治療であれば根本的な改善が可能です。
口ゴボとガミースマイルを同時に改善する場合、歯並びだけでなく、噛み合わせや顔貌のバランスまで考慮した治療計画が必要となります。全顎治療では、奥歯から順番に歯を後ろに移動させる方法や、抜歯によってスペースを確保し前歯を後方に移動させる方法など、さまざまなアプローチが可能です。
累計1,000件以上の矯正治療実績を持つ専門医による診断では、3DスキャナーやAI分析などの最新デジタル機器を活用し、患者さま一人ひとりの状態を正確に診断しています。
抜歯矯正と非抜歯矯正の選択
口ゴボの改善を目指す矯正治療において、抜歯が必要かどうかは重要な判断ポイントです。
抜歯矯正が適している症例
抜歯矯正とは、歯を抜いてそのスペースを利用し、前歯を後方に移動させる治療法を指します。一般的には第一小臼歯(糸切り歯の一つ奥の歯)を抜くことが多く、この歯の幅はおよそ6〜7.5mm程度です。
歯を引っ込めるためのスペースが足りない場合、抜歯矯正が選択肢となります。特に歯が前方に傾いて出っ歯や口ゴボになっている症例では、抜歯によるスペース確保の効果が出やすく、大きく引っ込む傾向があります。また、噛み合わせが大きくずれている場合や、歯が大きい場合も抜歯が必要となることが多いです。
非抜歯で対応できる可能性
すべての口ゴボが抜歯を必要とするわけではありません。
歯並びが比較的整っている方や、軽度の口ゴボの方は、奥歯から順番に歯を後ろに移動させる方法で改善できる場合があります。また、歯の横を0.5mm以下という安全な範囲で削るストリッピングという方法もあります。この方法では、削った分のスペースを利用して歯を少しずつ後方に動かし、口元を内側に引っ込めることができます。
切削量が0.5mm以下であれば虫歯や知覚過敏などのリスクはないとされています。顔のバランスや噛み合わせ、骨格の位置を踏まえて総合的に判断することが大切です。
ガミースマイル改善のアプローチ
ガミースマイルの改善には、複数のアプローチがあります。

矯正治療によるガミースマイル改善
アンカースクリューを用いた矯正治療は、ガミースマイル改善に効果的な方法の一つです。アンカースクリューとは、矯正治療において歯を効率的に動かすための固定源として用いられる、直径1〜2mm程度の小さなチタン製のネジのことです。
このアンカースクリューを使用することで、上顎の歯を上方に持ち上げることができます。その結果、笑ったときに見える歯茎の量を減らすことが可能になります。同時に、前歯を後方に移動させることで口ゴボも改善できるため、一石二鳥の効果が期待できます。
外科的矯正が必要なケース
骨格的な問題が原因で口ゴボやガミースマイルが発生している場合、外科矯正が適用されることがあります。この治療では、顎の骨を切ったり移動させたりする手術と矯正を組み合わせて行います。
サージェリーファーストという治療法では、まず外科手術を行い、上顎と下顎を適切な位置関係に移動させ、骨格形態の改善をはじめに行います。したがって、この時点で患者様が一番気にされていた顔のバランスが改善します。その後、矯正治療を開始することで、咬み合わせを整えていきます。
外科手術後に骨の代謝活性が上昇し、歯の移動自体が加速することも示唆されています。従来法に比べて速く歯が移動するため、治療期間の短縮も期待できます。
治療期間と費用について
口ゴボとガミースマイルの治療を検討する際、気になるのが治療期間と費用です。
一般的な治療期間の目安
ワイヤー矯正による全顎治療の場合、一般的には1年から2年半程度の期間が必要となります。症例の複雑さや患者さまの骨格、歯の移動量によって期間は変動します。
サージェリーファーストを選択した場合、治療期間は10ヶ月から1年程度で完了するケースもあります。外科手術後に骨の代謝が活発になり、歯の移動が加速するためです。ただし、手術を伴うため、事前の準備期間や術後の回復期間も考慮する必要があります。
治療費用の内訳
矯正治療は基本的に保険適用外の自由診療となります。そのため、医院によって費用設定に差があることを理解しておきましょう。
表側矯正の場合、総額で110万円から132万円程度が一般的な相場です。裏側矯正は装置が見えにくい分、費用が高くなり、110万円から165万円程度となります。当院では、矯正相談を無料で実施しており、毎月の調整料や保定管理料も無料としています。
トータルフィーシステムを採用しているため、治療開始前に総額が明確になり、追加費用の心配がありません。クレジットカードやデンタルローンも利用可能で、月々の負担を抑えることができます。
治療を成功させるための日常ケア
矯正治療を成功させるためには、日常ケアが欠かせません。

まず、矯正装置を装着している間は、歯磨きとフロスを丁寧に行い、装置周りの汚れをしっかりと取り除くことが大切です。特に、食べ物が装置に挟まると虫歯や歯周病のリスクが高まります。
また、硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避けることも重要です。これにより、装置が外れるリスクを減らし、治療のスムーズな進行をサポートします。加えて、定期的な通院を怠らず、専門医の指導を受けることで、計画通りの治療を実現できます。
正しいケアを継続することで、口ゴボとガミースマイルの改善を効率よく達成できます。矯正治療中も虫歯や歯周病のチェックを行い、早期発見・治療を行っています。矯正と一般歯科の両方に対応しているため、複数の医院を受診する必要がなく、安心して治療を続けられます。
まとめ:理想の笑顔を手に入れるために
口ゴボとガミースマイルは、単独でも悩みの種となりますが、同時に抱えている場合はさらに深刻なコンプレックスとなります。
しかし、適切な診断と治療計画があれば、これらの悩みは確実に改善できます。ワイヤー矯正による全顎治療は、歯並びだけでなく、噛み合わせや顔貌のバランスまで総合的に改善できる優れた治療法です。
抜歯が必要かどうか、外科矯正を併用すべきかどうかは、患者さま一人ひとりの骨格や歯の状態によって異なります。経験豊富な専門医による正確な診断と、最新のデジタル機器を用いた精密な治療計画が、理想的な結果への第一歩となります。
治療期間や費用についても、事前に明確な説明を受けることで、安心して治療をスタートできます。日常のケアを怠らず、定期的な通院を続けることで、計画通りの治療結果を得ることができるでしょう。
口元のコンプレックスから解放され、自信を持って笑える日々を手に入れるために、まずは専門医に相談してみませんか?
表参道AK歯科・矯正歯科では、無料カウンセリングを実施しています。「いきなり治療に入るのは怖い」「他院の話も聞きたいからまず相談だけ」といった方も、お気軽にご相談ください。あなたのお悩みや不安なことをお聞かせいただき、最適な治療計画をご提案いたします。
表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦

https://doctorsfile.jp/h/197421/df/1/
略歴
- 日本歯科大学 卒業
- 日本歯科大学附属病院 研修医
- 都内歯科医院 勤務医
- 都内インプラントセンター 副院長
- 都内矯正歯科専門医院 勤務医
- 都内審美・矯正歯科専門医院 院長
所属団体
- 日本矯正歯科学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本歯科審美学会
- 日本臨床歯科学会(東京SJCD)
- 包括的矯正歯科研究会
- 下間矯正研修会インストラクター
- レベルアンカレッジシステム(LAS)
参加講習会
- 口腔インプラント専修医認定100時間コース
- JIADS(ペリオコース)
- 下間矯正研修会レギュラーコース
- 下間矯正研修会アドバンスコース
- 石井歯内療法研修会
- SJCDレギュラーコース
- SJCDマスターコース
- SJCDマイクロコース
- コンセプトに基づく包括的矯正治療実践ベーシックコース (綿引 淳一 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 診断・治療編(石川 晴夫 先生)
- 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 応用編(石川 晴夫 先生)
- レベルアンカレッジシステム(LAS)レギュラーコース
- 他多数参加






