ボロボロの口元を立て直す全顎治療|ワイヤー矯正・セラミック・インプラントの使い分け

執筆者情報:小室 敦

最終更新日:

ボロボロの口元を立て直す全顎治療|ワイヤー矯正・セラミック・インプラントの使い分け

ボロボロの口元に悩んでいませんか?

虫歯や歯周病、事故などで複数の歯を失ってしまった方。

「もう手遅れかもしれない」と諦めていませんか。実は、どんなに状態が悪化した口元でも、適切な治療計画と最新の技術を組み合わせることで、機能的にも審美的にも満足できる口元を取り戻すことができるのです。

全顎治療とは、上下の顎全体を対象とした包括的な歯科治療のこと。ワイヤー矯正、セラミック治療、インプラントなど、複数の治療法を組み合わせて、噛み合わせから見た目まで総合的に改善していきます。一本一本の歯を治すのではなく、お口全体のバランスを整えることで、長期的に安定した結果を得られるのが特徴です。

この記事では、日本矯正歯科学会や日本口腔インプラント学会など複数の専門学会に所属し、1,000件以上の矯正治療実績を持つ私の視点から、全顎治療の基本から応用までを詳しく解説します。

全顎治療が必要なケースとは

全顎治療の適応となるのは、単一の歯の問題ではなく、お口全体に複合的な問題を抱えているケースです。

具体的には、複数の歯が虫歯や歯周病で失われている状態、噛み合わせが大きく崩れて顎関節に負担がかかっている状態、歯並びの乱れと欠損が同時に存在する状態などが挙げられます。これらの問題は互いに関連し合っており、一箇所だけを治療しても根本的な解決にはなりません。

複数の歯を失っている場合

歯を失う原因は様々です。虫歯の進行、歯周病による歯槽骨の吸収、事故や外傷、先天的な欠損など。一本の歯を失うだけでも噛み合わせのバランスは崩れ始めますが、複数の歯を失うと、残っている歯への負担が急激に増加します。

残存歯が傾いたり移動したりすることで、さらに噛み合わせが悪化する悪循環に陥るのです。

噛み合わせの崩壊

噛み合わせが崩れると、顎関節症のリスクが高まります。頭痛や肩こり、顎の痛みといった症状が現れることも。

また、一部の歯だけに過度な力がかかることで、その歯の寿命が短くなってしまいます。全顎治療では、上下の歯の接触関係を全体的に見直し、理想的な噛み合わせを再構築していきます。これにより、顎関節への負担を軽減し、残存歯の保護にもつながるのです。

審美的な問題

前歯の欠損や変色、歯並びの乱れは、見た目の印象を大きく左右します。笑顔に自信が持てない、人前で口を開けることをためらってしまう。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。全顎治療では、機能回復と同時に審美性の向上も目指します。セラミックを用いた補綴治療や矯正治療を組み合わせることで、自然で美しい口元を実現できます。

ワイヤー矯正の役割と適応

全顎治療において、ワイヤー矯正は歯並びと噛み合わせの基盤を整える重要な役割を担います。

表側矯正のメリットとデメリット

表側矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着する最も一般的な矯正方法です。ほとんどの歯並びの症状に適応でき、治療の予知性が高いのが特徴。装置が見えるため、ブラッシングなどのケアがしやすく、矯正装置が舌に触れないので発音への影響も少ないというメリットがあります。

一方で、装置が目立ちやすいこと、口元に厚みが出ること、食べかすが引っかかりやすいことがデメリットとして挙げられます。ただし、近年では審美ブラケットと呼ばれる目立ちにくい装置も普及しており、見た目の問題はかなり軽減されています。

裏側矯正の特徴

裏側矯正は、歯の裏側に装置を取り付ける方法です。外から見えないため、審美性に優れています。ただし、装置が舌に触れるため、発音に影響が出やすく、慣れるまでに時間がかかることがあります。また、技術的な難易度が高いため、費用も表側矯正に比べて高額になる傾向があります。

全顎矯正の治療期間と費用

全顎矯正の治療期間は、患者様の状態により異なりますが、平均的に約1年から3年程度です。

費用相場は、表側矯正で80万円から110万円程度、ハーフリンガル(上顎のみ裏側)で110万円から126万5千円程度、舌側矯正で132万円から159万5千円程度となっています。これらの費用には、検査料や診断料、調整料が含まれる場合と含まれない場合があるため、事前に確認が必要です。

セラミック治療の活用法

セラミック治療は、審美性と機能性を両立させる補綴治療の中心的存在です。

オールセラミックの特徴

オールセラミックは、金属を一切使用しない補綴物です。天然歯に近い透明感と色調を再現でき、前歯の審美治療に特に適しています。金属アレルギーの心配もなく、歯茎の変色も起こりません。ただし、強い咬合力がかかる奥歯では、破折のリスクがあるため、症例によっては他の素材を選択することもあります。

ラミネートベニアによる審美改善

ラミネートベニアは、歯の表面を薄く削り、セラミックの薄い板を貼り付ける治療法です。歯の色や形、軽度の歯並びの乱れを改善できます。歯を削る量が少ないため、歯へのダメージを最小限に抑えられるのが利点です。ただし、噛み合わせが深い場合や、歯ぎしりが強い方には適さないこともあります。

ダイレクトボンディングの応用

ダイレクトボンディングは、歯科用レジンを直接歯に盛り付けて形を整える治療法です。

一回の治療で完了することが多く、費用も比較的抑えられます。小さな欠けや隙間の修復、軽度の形態修正に適しています。ただし、セラミックに比べると変色しやすく、耐久性もやや劣るため、定期的なメンテナンスが必要です。

インプラント治療の位置づけ

インプラント治療は、失われた歯の機能と見た目を回復する有効な選択肢です。

インプラント1本あたりの費用と治療期間

インプラント1本あたりの費用相場は、30万円から50万円程度が一般的です。この費用には、インプラント本体の価格、診断から手術、人工歯の製作までの基本的な治療プロセスが含まれることが多いですが、骨造成や静脈内鎮静法などの追加処置が必要な場合は別途費用が発生します。

治療期間は、骨とインプラントが結合するまでの期間を含めて、通常3ヶ月から6ヶ月程度です。

前歯と奥歯でのインプラント治療の違い

前歯のインプラント治療では、審美性が非常に重視されます。笑顔になった際に自然に見えるよう、周囲の歯との色や形、透明感の調和が求められるため、オールセラミックのような審美性の高い素材が選ばれることが多く、その分費用も高くなる傾向があります。

一方、奥歯は咀嚼という機能性が重視されます。ハイブリッドセラミックやメタルボンドセラミックなど、耐久性を重視した素材が選択されることが多く、前歯に比べて費用が抑えられる場合があります。

All-on-4による全顎的なインプラント治療

All-on-4は、顎の骨に最小限の4本のインプラントを埋め込み、その4本で片顎全ての人工歯を支える治療法です。費用相場は、上下いずれかの顎で200万円から300万円程度となります。従来の方法に比べて埋入するインプラントの本数が少なく、骨造成が不要なケースが多いため、治療期間の短縮と費用の抑制が可能です。

治療法の使い分けと組み合わせ

全顎治療の成功の鍵は、各治療法を適切に組み合わせることにあります。

矯正治療とインプラントの併用

矯正治療で歯並びを整えた後、欠損部にインプラントを埋入するケースは多くあります。矯正治療により、インプラントを埋入するための適切なスペースを確保し、理想的な位置に人工歯を配置できるようになります。また、矯正用インプラント(アンカースクリュー)を使用することで、より効率的に歯を移動させることも可能です。

セラミック治療と矯正治療の組み合わせ

矯正治療で大まかな歯並びを整えた後、セラミック治療で細かな形態や色調を調整するアプローチも有効です。

矯正治療だけでは改善しきれない歯の形や大きさの問題を、セラミック治療で補うことができます。特に前歯部の審美改善では、この組み合わせが効果を発揮します。

包括的治療計画の立て方

全顎治療では、最初に精密な検査と診断を行い、包括的な治療計画を立てることが重要です。3DスキャナーやAI分析などの最新デジタル機器を活用することで、より正確な診断が可能になります。治療の順序、期間、費用を明確にし、患者様に十分に説明した上で治療を開始します。治療中も定期的に進捗を確認し、必要に応じて計画を修正していきます。

治療期間と費用の目安

全顎治療の期間と費用は、患者様の状態により大きく異なります。

治療期間の内訳

全顎治療の総期間は、通常1年半から3年程度です。初診カウンセリング、精密検査、診断、治療方針の決定に1ヶ月から2ヶ月。矯正治療に1年から3年。インプラント治療に3ヶ月から6ヶ月。セラミック治療に1ヶ月から3ヶ月。治療後の保定期間に1年から2年程度を要します。これらの治療は並行して進められることもあり、総期間は症例により変動します。

費用の総額と内訳

全顎治療の総費用は、100万円から500万円以上と幅があります。矯正治療で80万円から160万円程度、インプラント治療で1本あたり30万円から50万円程度、セラミック治療で1本あたり5万5千円から16万5千円程度が目安です。検査料や診断料、調整料なども別途必要になる場合があります。

医療費控除の活用

インプラント治療や矯正治療は、一定の条件を満たせば医療費控除の対象となります。

1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告を行うことで所得税の還付や住民税の軽減が受けられます。医療費控除額は、実際に支払った医療費の合計額から保険金などで補填された金額と10万円を差し引いた額となり、控除額の上限は200万円です。領収書は必ず保管し、治療を受けた翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行います。

治療を成功させるためのポイント

全顎治療を成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。

経験豊富な歯科医師の選択

全顎治療は高度な知識と技術を要するため、経験豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。日本矯正歯科学会、日本口腔インプラント学会、日本歯周病学会などの専門学会に所属し、継続的に研修を受けている歯科医師であれば、最新の知識と技術を持っていると考えられます。また、矯正治療の実績が1,000件以上あるなど、豊富な臨床経験を持つ歯科医師を選ぶことをお勧めします。

最新のデジタル機器による正確な診断

3DスキャナーやAI分析などの最新デジタル機器を活用することで、従来よりも正確な診断が可能になります。歯並びや噛み合わせを細かく解析し、より精密で効果的な治療計画を立てることができます。デジタル技術の活用は、治療の予知性を高め、患者様の満足度向上にもつながります。

定期的なメンテナンスの重要性

治療が終了した後も、定期的なメンテナンスが不可欠です。

矯正治療後は保定装置を使用し、歯の後戻りを防ぎます。インプラントやセラミックも、定期的なチェックとクリーニングにより、長期的な安定を保つことができます。虫歯や歯周病の早期発見・治療も、メンテナンスの重要な目的です。

まとめ|理想の口元を取り戻すために

ボロボロの口元でも、諦める必要はありません。

全顎治療は、ワイヤー矯正、セラミック治療、インプラント治療を適切に組み合わせることで、機能的にも審美的にも満足できる口元を実現できる治療法です。治療期間は1年半から3年程度、費用は100万円から500万円以上と幅がありますが、医療費控除を活用することで実質的な負担を軽減できます。

成功の鍵は、経験豊富な歯科医師による正確な診断と、包括的な治療計画の立案にあります。最新のデジタル機器を活用し、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法を選択することが重要です。治療後も定期的なメンテナンスを継続することで、長期的に安定した結果を維持できます。

「もう手遅れかもしれない」と思っている方こそ、一度専門の歯科医師に相談してみてください。あなたの口元の悩みに、きっと解決策が見つかるはずです。

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そんな方のためのご相談
多くの歯が欠けている・グラグラしている・詰め物が外れているなど、お口全体の治療が必要な場合も、矯正・セラミック・インプラントを組み合わせて段階的に整えていきます。
現在の状態を拝見したうえで、複数パターンの治療計画をご提案することも可能です。

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表参道AK歯科・矯正歯科 院長:小室 敦

院長 小室 敦

https://doctorsfile.jp/h/197421/df/1/

略歴

  • 日本歯科大学 卒業
  • 日本歯科大学附属病院 研修医
  • 都内歯科医院 勤務医
  • 都内インプラントセンター 副院長
  • 都内矯正歯科専門医院 勤務医
  • 都内審美・矯正歯科専門医院 院長

所属団体

  • 日本矯正歯科学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本歯周病学会
  • 日本歯科審美学会
  • 日本臨床歯科学会(東京SJCD)
  • 包括的矯正歯科研究会
  • 下間矯正研修会インストラクター
  • レベルアンカレッジシステム(LAS)

参加講習会

  • 口腔インプラント専修医認定100時間コース
  • JIADS(ペリオコース)
  • 下間矯正研修会レギュラーコース
  • 下間矯正研修会アドバンスコース
  • 石井歯内療法研修会
  • SJCDレギュラーコース
  • SJCDマスターコース
  • SJCDマイクロコース
  • コンセプトに基づく包括的矯正治療実践ベーシックコース (綿引 淳一 先生)
  • 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 診断・治療編(石川 晴夫 先生)
  • 新臨床歯科矯正学研修会専門医コース 応用編(石川 晴夫 先生)
  • レベルアンカレッジシステム(LAS)レギュラーコース
  • 他多数参加

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日付:  

審美歯科

治療内容口元に「美しさ」をプラスする治療
費用¥55,000〜¥165,000(税込)
治療後のリスクセラミックの破折、色調の再現に限界があります

インプラント

治療内容欠損部分に人工歯を取り付ける治療
費用1歯あたり ¥280,000〜¥425,000(税込)
治療後のリスクインプラント周囲炎の可能性があるためメンテナンスが必要

ホワイトニング

治療内容気になる歯の着色を白くする治療
費用¥24,000〜¥48,000(税込)
治療後のリスク場合によっては後戻り・知覚過敏になる可能性があります

矯正歯科

治療内容歯並びをよくする治療
費用110,000〜¥1,320,000(税込)
治療後のリスク場合によっては後戻りが考えられます

ガミースマイル

治療内容歯茎のラインをきれいに整える治療
費用¥16,500〜¥275,000(税込)
治療後のリスク疼痛・出血などを生じる事があります

重度歯周病

治療内容再生療法をはじめ、清掃性の向上のための治療
費用¥27,500~¥77,000(税込)
治療後のリスク疼痛などを生じる事があります

入れ歯

治療内容失った歯を人工歯で補う治療
費用¥110,000~¥495,000(税込)
治療後のリスク疼痛・違和感などを生じる事があります

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